「自分が嫌い」は逃げであるということ

「あなたは自分のことが好きですか?」という問いにyesと答えられる人はどれくらいいるのだろう。


ぼく自身も自分のことが好きになれない時期があった。自分の容姿が嫌だ、性格が嫌だ、ここがコンプレックスだなど、理由は様々だ。



だが最近になって「自分のことが嫌い」というのは「逃げ」であると確信した。

順を追ってぼくの考えを述べていく。

○目次

○なぜ自分を嫌うのか

そもそもなぜ自分のことを嫌うのだろうか。ほとんどの場合は自分の短所ばかりに目を向け、自分のことを低く評価するからだ。

自分の身体的コンプレックスを他人と比べ、劣等感に苛まれる、といった具合に。

ではなぜ自分の短所ばかりに目が行くのか。人間には必ず何かしらの長所があるはずだ。


結論から述べると、「短所があるから自分が嫌い」なのではなく、「自分を好きになりたくないから、短所を探す」のである。


理解しづらいと思うので説明しよう。たとえば人前で話すことが苦手で人前に立つと必ず頭が真っ白になる人がいるとする。

それをずっと避け続ける人がいるとする。その人は人前に立ちたくないために頭が真っ白になるという現象を必要としているのである。


その人にとって一番避けたいのは、人前で話すことに大失敗し、周りの人から嘲笑され、自分を否定されることだ。でもその人は「自分は必ず頭が真っ白になるから仕方ない、人前で話せないのは、この頭が必ず真っ白になる現象のせいだ」「頭が真っ白にならなければ自分は人前で上手に話せるはずだ」と、可能性の中で生きることができるのだ。

そのため人は自分の短所に目を向け、自分を嫌おうとするのだ。

自分を嫌いになる人の状況は様々だが、その目的は詰まる所「他者に自己を否定されたくない」ということに帰結する。

〇劣等感自体は悪いことではない


「短所」という話をした。この世界
に生きていたら、誰でも多かれ少なかれ劣等感を持ちわせているだろう。スポーツで周りのチームメイトを見て劣等感を抱いたり、受験勉強で周りの成績を見てそれを抱いたりといったように。

しかし劣等感自体を否定する必要はないのだ。人より何かで劣っていると感じることは、努力や現状打破の契機となりうるからだ。

劣っているからこそ、周りに追いつくために、必死で努力することは大変素晴らしいことだ。

しかし問題になってくることはその劣等感をコンプレックスと捉えて、何も行動しなくなること。

人のコンプレックスを聞いてもなかなか共感できないことがある。友達に生まれつきくせ毛で、ぼくはそれがオシャレに見えてかっこいいと感じていたのだが、その友達はコンプレックスに感じていた。

つまりその事実をプラスとするかマイナスとするかはその人の解釈次第なのだ。

世間一般的に学歴が低い人がいるとする。学歴が低いこと自体は単なる事実にすぎない。それをコンプレックスと捉えてしまう、「自分が成功できないのは、この学歴のせいだ。もし学歴が高かったら成功しているはずだ。」となかなか行動できないのだ。

事実を言い訳とするか、契機とするかはその人の解釈次第だ。

〇他者と比べる必要はない

そもそもこのような劣等感をコンプレックスとしてしまうのは、他者と比べてしまうからだ。言い換えれば、自分を嫌いになってしまうのは、他者が存在するからだ。

ということは、他者に対する考え方を変えることが必要となってくる。日本社会は常に他者との比較の中に生きている。勝ち組負け組という概念がある。

断言するが、人生は他者との勝ち負けではない。

人と比べている人は、自分に自信がない人だ。自分に自分を評価する明確な基準がないから、他者に承認してもらわないと安心できない。

他者が存在しないと自己を肯定できないのは寂しいことである。

ひとそれぞれ人生の土俵は違うのだ。違う土俵で戦っている人に口出しする必要はないし、もし口出ししてきても、それは見当違いだ。

そして比べる対象があるとすると、それはまぎれもなく自分自身に他ならないのだ。

〇他者にどう思われてもいい

ようするに自分が嫌いな人は誰からも嫌われなくないのだろう。他者に嫌われたくない人というのは極めて自己中心的な人間だ。劣等感をコンプレックスに捉えて行動しないことも、他者に承認されるために行動する人も結局見返りを求めているのだ。自己に執着しているのだ。そんな生き方はもうやめよう。あなたはあなたの人生を生きればよいのだ。


〇自分が嫌いはもうやめよう

自分が嫌いで周りに好かれたい人の状況は例えるとこうだ。「この料理食べてみて!おれは嫌いだけど食べてみて!」

どうだろう、相手に失礼ではないだろうか。劣等感という事実を乗り越えて、一歩踏み出すために必要なことは、今の自分を受けいることだ。そしてまず自分を承認することだ。それからどう生きていくかだ。自分がやれることはやろう。

それを他者が評価するかどうかはいったん置いておこう。



ぼくは会社を辞めて、自分のやりたいことをいろいろ考えている今の自分が好きだ。


「あなたは自分のことが好きですか」



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